「ラインが切れてしまった」
「新しいリールを買ったけど、どうやってラインを巻けばいいの?」
「釣りに合わせてラインを巻き替えしたい」
このような疑問を解決します。
本記事ではスピニングリールのライン巻き方・巻き替え方を初心者でもできるように解説。
特に下糸をいれないといけないケースでは、知らずにラインを巻くと釣りにならないこともあるので注意してください。
ラインの巻き方一つで釣果は大きく変わってきます。
この記事を参考に正しい巻き方で、より快適な釣りを楽しみましょう!
この記事は勤続26年目になる超ベテラン釣り具店員が執筆しています。
(自分でいうスタイルです)
- 正しいラインの巻き方がわかり、釣り場でのトラブルを回避できます
- 釣り具店にわざわざ持ち込まずにすみます
- ラインを長持ちさせてお小遣いに余裕ができます
ライン巻き方3ステップ
ラインの巻き方を3ステップで解説します。
①糸巻き量を計算する(ツールもあります)
まず巻きたいラインがリールに何m巻けるのかを確認します。
なぜならその結果によって、号数を検討しなおしたり下糸をいれないといけないからです。
通常「スプール」に表示しています。「箱」や「取扱説明書」にも書いてあります。
上記のリールの場合
ナイロンライン 4号-250 5号-200 6号-170
PEライン 3号-225 4号-175 5号-140
という意味です。
↑ここに表示されていない号数の場合はどいうやって計算するの?
例えば、ナイロン2号は何m巻けるのか表示されていません。
そんな時は糸巻き量計算ツールを使います。
リールスプールの糸巻き量計算ツール Ver2.0(PE・ナイロン・フロロ対応版) | ルアーバンク (lurebank.com)
使い方は簡単
①リールに表示されている「〇号-〇m」をどれでもいいので入力
②巻きたいラインの素材と号数を入力
③計算結果としてわかりやすく表示されます
巻きたいラインが何m巻けるのかがわかったら
リールに対して用意したラインが適正がどうか確認してください。
リールに巻ける量=<準備したライン
なら
②スプールにラインを結ぶへ進んでください。
ラインが多い場合は全部巻けないので注意です。
準備したラインが少ない場合は下糸をいれないといけません。
下糸とは底上げをする糸のことです。
不要なラインを下に巻いて新しく巻くラインがスプールのつらになるようにします。
下糸をいれることでメインランがちょうどいい状態で巻かれます。
下糸については別記事でくわしく解説しています。
②スプールにラインを結ぶ
スプールにラインを結ぶ方法を図で解説します。
※下糸をいれた場合は下糸とメインランを結んでください。
ワンポイント
スプールに巻いたときも、下糸と結んだときも、結び目の上からセロテープを貼ってください。
ラインが減って結び目がでてきたときに、ラインのひっかかりをなくす為です。
釣り具店員では当たり前のことで、貼っていないとクレーム案件です
③【ここ重要】ラインを回しながら巻く
巻き取るラインを固定して、リールのハンドルを回してラインを巻きます(意外とアナログ)
ラインスプールの軸に割りばしや棒を通して、回転させながら巻き取ってください。
適度なテンション(負荷)をかける必要があります。
適度なテンションをかけつつ、ラインが巻ける便利なアイテムがあるので後で紹介します。
ここ重要
絶対にやってはいけないラインの巻き方
ラインのスプールを地べたにおいて巻く方法です。
この方法でラインを巻くと
100%ラインがよれます。
と怒ってこられるお客様に「どうやってラインを巻いた」かをきくと、みなさんこの方法で巻いています。
かならずラインの軸になにかを通し、ラインのスプールを回しながらラインを巻いてください
リールのライン巻き替え!便利なアイテム6選
自分でリールのラインの巻き替えを行うのに便利なアイテムを紹介します。
シマノ ラインリムーバー
巻いてあるラインを手早く捨てるためのアイテムです。
結論からいうとラインを回収するアイテムとしては次に紹介するダイワ PEラインチェンジャーのほうが優れています。
シマノが大好きでシマノ製品でそろえたいひとには良いでしょう。
\シマノ製品でそろえたいひとに/
2つのローラーが回転し摩擦でラインを放出します。
しかし欠点があり個人的にはオススメはしません。
かんたんにいうと巻き取る力が弱いです。
ラインが塩でかたまっているなど、負荷がかかっているとまるでラインがでていかない
ってことも多々あります。
ダイワ PEラインチェンジャー
本体がグルングルンと回転しラインを力強く巻き取っていきます。
一応
PEライン専用です。
ナイロンラインには使わないでください
というダイワからの注意があることを伝えたうえで・・
私の釣具店では、ナイロンラインにもPEラインにもこれ1台を活用しています。
※ただしナイロンラインの使用に関しては自己責任でお願いします。
確かに、ナイロンラインは伸縮性があり一発では外しにくいです。しかしほどくようにゆっくり作業すれば問題なく使えます。
上記モデルはラインを処分するだけですが、専用スプールがついて回収できるモデルもあります。
ダイワ PEラインチェンジャー(専用スプール付)
PEラインチェンジャーにスプールが付いたグレードアップ商品です。
ラインを捨てるだけでなくラインをスプールに巻き取って保管することができます。
塩抜きをしてメンテンナンスを行いまた使用できます。
プロックス ラインリムーバー電動ドリル用ビットEZ(イージー)
ザ・アイデア商品!面白いアイテムです。
なんと、インパクトドライバにさして回転させてラインを巻き取ります。
今回紹介するアイテムの中で速さは1番
デメリットはインパクトドライバーが必要なこと
わざわざ買うのはコスパ悪すぎますのですでにインパクトドライバー持っているひとは良いかもしれませんね。
第一精工 ラインスプール
ラインの回収はできませんが
シンプルで価格も安い。
バネの力でテンションをかけられます。
第一精工 高速リサイクラー
\ラインの回収もできる/
ラインをセットしてリールに巻くことはもちろん、ハンドルを回してリールから空のラインスプールへ巻き取れます。
この商品が発売されたとき釣り具の店員はうなりました。
すごいのがでたぞ!下糸失敗しても大丈夫やん
みたいな。
「リサイクラー」の登場によって釣種ごとにラインの号数を変えたり、塩抜きをしたりする人が増えた気がします。
第一精工 高速リサイクラー2.0
第一精工 高速リサイクラーの上位モデル
①ボールベアリングが導入
②ラインスプールに合わせたシャフトが2本はいっている
③別売の「ドラビット」を使って超高速巻き取りが可能
ボールベアリングが導入されているぶん、回した時の労力が少し良くなっています。
通常の第一精工 高速リサイクラーか、第一精工 高速リサイクラー2.0にするかは予算含めて検討してください。
高速リサイクラー2.0専用補助パーツ
第一精工 高速リサイクラー2.0用楽速電ドラビット
第一精工 高速リサイクラー2.0専用の「楽速電ドラビット」が登場しました。
電動ドリル(インパクト)にセットし、高速リサイクラーの側面にあてて回します。
ハンドルを手で回すところを電動に力を借りるといったアイテムです。
\本体とセットでお得/
リールからリールへラインの巻き替え方法
「Aのリールに巻いているラインをBのリールに巻き替えたい」
このようなシチュエーションはまぁまぁあります。
リールからリールへラインを移し替える方法を紹介します。
2つの方法があります。
空のスプールへラインを巻きとり、新しいリールに巻く
先に紹介した「ライン巻き取り機」をつかって、リールに巻いているラインを空のスプールに巻きとります。
全部、巻き取ったら新しいリールに巻きます。
ラインは裏表にならずに元の状態になります
AのリールからBのリールに直接ラインを巻く
2人でやるのがおすすめです。
- Aのラインの先をBに結びます。
- そのときAのリールのベールをあげておく。ラインローラーにラインをかけなくてOK
- ドラグを緩めに設定しAのリールは横向きにします。
- Bのリールでラインを巻いていきますがそのときAのスプールが回転するように巻いていきます。
- ドラグをきつくしてしまうとドラグワッシャーがへたってしまうので、ドラグは緩めにしてください。
リールからリールへ直接ラインを巻きとると、ラインは裏表逆になります
リールに巻いてあるラインの裏表を変える方法
ラインの巻替え時に意識したいのがラインの裏表です。
ラインを150m巻いていても実際に使っているのは表面の100mばかりのところで、残りの50mはスプールからまったくでていない。
というケースは多々あります。
表面のラインは大きな傷がないにしても、見えない傷が付いていて強度が落ちている可能性もある。
そこである程度使ったら使っていない中の部分と表面の部分を入れ替えるのです。
使用する部分がきれいな状態になるということです。
ライン巻き取り機をつかって裏表を変える方法
ライン巻き取り機いずれかを利用する場合
空のラインスプールが2つ必要
手間が1回多くなります↓
- リール→スプールAへ巻き取る
- スプールA→スプールB
- スプールB→新しいリールへ
お店でもときどき裏表の交換を依頼されますよ
リールからリールはそのまま裏表になる
想像できると思いますが、リールからリールへ直接巻替えした場合は、そのまま裏表逆になります。
ただ、同じリールを使うときにラインだけ裏表交換する場合にはライン巻き取り機をつかって裏表を変える方法でしかできません。
ラインの巻き替えのタイミング
ラインの巻替えのタイミングは非常に難しい問題です。
明確な答えが存在しないからです。
基礎的な知識として以下の内容を紹介します。
- ナイロン・フロロカーボンは水を1度吸うと劣化が始まる
- PEラインは水分劣化がない(とされています)
- PEラインは色落ちはしても強度はそこまで落ちていない
- 指でなぞってザラザラしている箇所は使わない
- だま(結び目)になった部分は使わない
上記のことから使用回数は少なくても、一度釣りに使うとナイロンラインは劣化が始まっており時間とともに強度がおちていくと思ってください。
とはいえ1年経ったらプチプチ切れるのかといったら、そうでもありません。
なので非常に難しいのです。
例えば釣りによって交換する頻度を判断するのも良いかもしれません。
気軽にいける波止釣りで使う場合は
まぁプチプチきれたり、もつれたりしたら交換するか
くらいな感じで良いかもしれません。
久しぶりの船釣りで高い船賃をだして釣りに行く場合
万が一ラインが切れて魚をにがしたらいやだから念のためラインを交換しておくか
そんな感じです。
実際遠征のフカセ釣りに行かれるひとで、毎回ラインを巻きなおす方もいらっしゃいます。
ラインのメンテナンス方法 PEラインの塩抜き
ナイロンラインは水を吸って劣化が進むのであまり塩抜きするってのは聞いたことがありません。
PEラインは塩抜きというメンテナンスを行うことで寿命がのびます。
PEラインの塩抜きの目的は、塩を取り除くことでPEラインを傷つけないようにすることです。
海水が乾燥すると塩の固形物がラインの中に残りますよね。
その固形物(塩の結晶)がラインを傷つけることは容易に想像できます。
なので、PEラインは釣行後に塩抜きをして次回の釣りに備えましょう。
- ラインを巻き取り器で空のラインスプールへ巻き取ります。
- スプールを真水の中につける。洗面器に水をはってつけておくと良いです。
- 一晩つけておくと潮がぬけるので、取り出して涼しい場所で乾燥させてください。
- 乾燥したら、リールに巻きます。
- その時、ラインスプレーを吹きつけながら巻くとラインがコーティングされ、さらに良いです。
ラインスプレーは各メーカーからたくさん発売されています。
ド定番中のド定番といえば
「バリバスさんのPEにシュッ!」
ラインに吹き付けるとフッ素の保護膜を形成します。
これでいいです
\定番サイズ/
\たくさん使う人は業務用サイズ/
\携帯サイズ/
ラインスプレーの5つのメリット
- 海水や汚れがラインに入りこみにくくなる。結果ラインながもち
- 糸さばきがよくなり釣りが快適
- 摩擦が軽減され飛距離がUP
- おなじく摩擦が少ないのでラインの糸鳴りも軽減
- ガイドの摩耗も少なくなります。
【スピニングリールのライン巻き方・巻き替え方法】まとめ
初心者でも自分でリールにラインを巻く方法、補助してくれる便利アイテム、PEラインのメンテナンス方法を解説しました。
なれると簡単で自分で好きなリールに好きなラインを巻くことが楽しくなるはずです。
釣具店にわざわざリールを持っていくのも煩わしいですよね。
ぜひご自分でリールにラインを巻いてみてください。
本記事が参考になればさいわいです。